FPが教える! 家づくりのマネー講座① いくらの家なら買える? 資金&返済計画の立て方
ライフプランを基に無理のない返済を
マイホームの購入を考えている人に向けたシリーズ、「家づくりのマネー講座」が始まります。「アドバンス・フィナンシャルプランニング」(和歌山市十二番丁)のファイナンシャルプランナー(FP)をアドバイザーに迎え、初回は垣由起さん(写真)に、「家づくりの資金と返済計画」について聞きました。
家づくりには、本体工事費、外構・ライフライン工事費などの別途工事費、税金・保険料・手数料などの諸費用がかかります。土地を購入する場合は、別に土地代も必要です。
「住宅購入においての予算は、『自己資金』と『住宅ローン借入額』が基本。両親などからの『援助金』を受けられる人は、それも加えます」と、垣さんは話します。「自己資金は、物件価格の2割は頭金に、1割は諸費用に用意できたら理想。ただし、近年は低金利のため、借入額が9割を占めるケースも。どちらにしても、日々の暮らしの負担にならないような返済計画を立てることが大切です」と、アドバイスします。
それでは、家づくりにいくらお金をかけられるか、返済可能な額を計算してみましょう。
「年収から計算する方法と、毎月支払っている家賃から算出する方法があります」と、垣さんは説明。「年収は、毎月の可処分所得(手取り額)から返済できる金額を出して逆算。家賃で考える場合は、毎月の家賃を住宅ローンの返済額として計算します」
ここで、共働きで夫婦ともに収入のある世帯は要注意。「出産退職や時短勤務などで世帯収入が変わると、ローン返済に回せる額も変わってきます」。そのほかにも、子どもの教育費や老後の生活費など、生涯でかかるお金をシミュレーションしておくことで、無理のない返済が可能になります。「『いくら借りられるか』より、『いくらなら、返せるか』という視点で計画を」と、垣さんは伝えます。
働き方や家族構成が多様化している今、「ライフプランやマネープランを自分たちだけで考えるのは難しい」と感じたら、お金のプロであるFPに、現実的な返済計画を示してもらうのも一案です。
和歌山リビング新聞2024年10月5日号掲載