目指すは家事ラクの家② 家事をテキパキこなせる スムーズな「回遊動線」
目的別に家の中をゾーニング
住まいのプロたちのアドバイスで、家事の時短・効率をアップ! シリーズ2回目は、木村建築設計事務所(和歌山市四番丁)の代表で、リフォームのテレビ番組に“匠(たくみ)”として登場した、1級建築士の木村茂伸さんに「回遊動線」について聞きました。
回遊動線とは、家の中をぐるりと一回りできる動線計画のこと。「この動線がうまく機能すると、移動距離が短く、動作に無駄がなくなります」と木村さんは話します。
スムーズな回遊動線をかなえるには、日常のルーティンの確認を。「例えば、帰宅時の行動を思い描いてみて。玄関で靴を脱いでから手を洗って、着替えてリビングへと、一連の動作が分かれば、玄関、クローゼット、洗面所、ランドリールームがつながる動線が出来上がります」と木村さん。
目的別に家の中をゾーニングするのも、家事ラクのポイント。クローゼットに荷物や外着を置いて部屋着に着替え、汚れた衣類はランドリールームに置く流れができれば、リビングが物で散らかりません。「収納専用スペースを設けることで、収納するための家具が減り、家中がすっきりしますよ」。また、キッチンやランドリールームを近くにまとめれば、台所仕事や洗濯を同時に行えます。「買い置きをする家庭なら、玄関付近にパントリーを設け、その横にキッチンを配置する間取りが便利」とも。
さらに、「回遊動線のコツは、動線上で行き止まりを作らないこと」と、木村さんはアドバイスします。「各部屋に出入り口を複数設けると、動線が短くなって移動もスムーズ。廊下の必要性もなくなって、住空間を有効に活用できますよ」
クローゼットはウオーク・スルー・タイプにすれば、収納力をキープしながら通り抜けできます。「出入り口に引き戸をつけたら、ゲストの視線をプライベートゾーンからそらすこともできますよ」と話していました。
和歌山リビング新聞2024年7月13日号掲載