2025年、2030年と段階的に引き上げ 求められる省エネ性能 ZEHが次世代の標準に
創エネ・省エネ・断熱で光熱費も削減
温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指し、国は建築分野でも環境に配慮した家づくりを推奨しています。
2025年からは、原則全ての新築住宅に、省エネ基準の適合が義務化されます。この省エネ基準とは、国が定める「住宅性能表示制度」で示した断熱等性能等級4以上と1次エネルギー消費量等級4以上の性能を有する家を指します。さらに、2030年には、高性能な省エネ住宅「ZEH」が省エネ基準になる予定です。マイホームを検討中の人は、これから段階的に上がる省エネ性能の基準を見据えて、今からZEHの家を建てるのも一案ですね。
ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、太陽光発電や家庭用燃料電池のような創エネ設備を備え、冷暖房や給湯、照明などの生活エネルギーを賄い、年間エネルギー量の収支をプラスマイナス“ゼロ”にする住宅のこと。併せて、断熱材や窓などの性能を高め、断熱性や気密性も上げることで、エネルギー消費を減らし、CO2の排出を抑制します。光熱費の削減や、室内の温度差からくるヒートショックの対策にもつながり、ZEHは家計にも家族にもやさしい家といえるでしょう。
経済産業省と環境省は、ZEHを推進するため支援事業を行っています。ZEHの新築に対して一戸当たり55万円、ZEHよりもさらにエネルギーの消費を削減する「ZEH+(ゼッチプラス)」の新築には、一戸当たり100万円の補助制度を設けています。
支援事業を利用するには、一般社団法人である「環境共創イニシアチブ」に登録されたZEHビルダーやプランナーに依頼して、ZEH住宅の設計や建築をすると、補助金を受けられます。登録会社や申請方法、申請スケジュールなど、詳細は同団体のホームページ(https://sii.or.jp/)を参照。
和歌山リビング新聞2024年6月15日掲載