親や祖父母からの援助金を節税 最大1000万円が非課税に 「住宅取得資金の贈与特例」
今年12月31日までの贈与が条件
よい家づくりは無理のない資金計画から。さらに住宅関連の優遇税制も知って、夢のマイホームを賢く実現しませんか。「アドバンス・フィナンシャルプランニング」(和歌山市十二番丁)の代表取締役で、ファイナンシャルプランナー(FP)の秋山裕材(ひろき)さんに、贈与税の非課税制度の一つ、「住宅取得資金の贈与特例」を聞きました。
住宅購入資金として、預貯金などの自己資金や金融機関からの住宅ローンにプラスして、親からの援助金を活用する人もいるのでは。「新築や中古住宅を購入するための資金援助を、父母や祖父母など直系尊属から受けた場合、一定額まで贈与税が非課税になります」と、説明する秋山さん。限度額は住宅の性能によって差があり、「断熱性や耐震性が高い家やバリアフリー仕様の家などの『省エネ等住宅』は1000万円まで、それ以外の住宅は500万円までが非課税になります」
贈与を受けるには、18歳以上で、贈与を受ける年の合計所得が2000万円以下などの条件があります。さらに、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与金全額を建築費用などに充てた住宅に居住するか、または、同日が過ぎても遅滞ない居住が確実に見込まれていることも条件です。
「贈与税の確定申告もお忘れなく!」と秋山さん。申告が一日でも遅れると特例は適用されず、大きな非課税枠が使えなくなります。申告は、贈与税の申告書に住宅取得等資金の非課税の適用を受ける旨を記載し、受贈者の戸籍謄本や登記事項証明書、住宅性能証明書などの必要書類を添付して、申告期間内に税務署に提出します。「詳細は税務署や税理士に確認を」
この特例は今年の12月31日までの贈与が適用とされます。「年内に援助を受け、来年3月15日までに居住が間に合いそうな人は活用しては」と、秋山さんはアドバイス。また、「相続時精算課税制度と併用できるケースも。専門家に相談し、個々の事情に合った節税対策をしてくださいね」と、最後に話していました。
リビング和歌山 2023年7月22日号掲載