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家づくりお役立ち情報 変形・狭小地を上手に活用する 建築士のテクニック

変形・狭小地を上手に活用する 建築士のテクニック

三角形や台形など形がいびつだったり、住宅密集地で日当たりが悪そうだったり―。「家を建てにくいのでは」と敬遠されがちな変形地や狭小地でも、設計上の制約がなく、自由な発想で建て主の思いに寄り添ったデザインを手掛ける設計事務所や建築士事務所に依頼すれば、土地の特性を生かした快適で個性あふれる住まいがかないます。

「マイホームの選択肢」8回目は、瀧川建築デザイン事務所(和歌山市新中通)の一級建築士・瀧川嘉彦さんに、変形地や狭小地の家づくりについて、話を聞きました。

建築士は、敷地や法規制、費用などさまざまな条件に対応しながら、建物の設計を手掛ける建築のプロフェッショナル。専門家ならではの設計力と技術力で、家を建てるのが難しそうな土地に関しても、多彩な提案をします。

その手法について聞くと、例えば、限られた敷地で家の中をできるだけ広く見せるには、「部屋の間仕切りを省き、フロア全体の空間を一体化して、視覚的に奥行きを演出します」と話す瀧川さん。「段差で空間を立体的に仕切るスキップフロアも有効」とも。また、「上階にハイサイドライトという高窓を取り付け、家の内部に吹き抜けを設ければ、近隣からプライバシーを守りながら、家中に光が届き、風通しもよくなります」と、アドバイスします。

敷地面積が狭くても、3階建てにすれば床面積を広げられます。3階建てにできない地域であればロフトを取り入れて、「空間を2層式にし、生活スペースや収納スペースとして活用するのも手」とも。変形地や狭小地は、分譲地の区画割りで不整形地として売り出され、比較的リーズナブルに手に入ることも。土地の費用を抑えた分、建築費や設備費などに予算を回せそうですね。

最後に、建築士選びについて、「家や暮らしに対する考えや価値観を共有できる建築士に依頼すれば、きっと希望のマイホームが実現しますよ」と、瀧川さんは話していました。

 

出典:リビング和歌山2022年8月6日号