サスティナブルな住まいで脱炭素の暮らし③ 省エネ特化型「低炭素住宅」 ハードルが低めで優遇大
市街化区域外は性能向上計画認定
人にも環境にもやさしい省エネ・ゼロエネ住宅。2050年カーボンニュートラルの実現に向け、これからの家づくりは、持続可能な“サスティナブル住宅”の考え方がますます求められそうです。今回は、低炭素住宅について、「センチュリーホーム」(和歌山市里)の企画開発営業部長・天野泰行さんに説明してもらいました。
低炭素住宅は、建物の断熱性に加え、給湯や換気、照明など住宅設備の効率を高め、二酸化炭素の排出量が少なくなるように建設された住宅。現行の省エネルギー基準よりも、一次エネルギー消費量をさらに10%削減させなければなりません。「長期優良住宅の省エネ性能は、省エネ基準が規定値。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)は20%削減が規定値。低炭素住宅はその間の位置付けですが、当社ではZEHレベルの省エネ性能を標準としています」と天野さんは言います。
省エネ性能が高い家とそうでない家。暮らしてみるとその違いは一目瞭然。「低炭素住宅の基準を満たした住まいなら、和歌山だと特に冬場の暖房代が激減、夏も快適な室温を保てます。サスティナブルという観点もありますが、健康な暮らしという面でも、最低限、低炭素住宅レベルの省エネ性能がある家に住んでほしいですね」と天野さん。
低炭素住宅の認定基準は、①省エネ基準と同等以上の断熱性能+一次エネルギー消費量マイナス10%を超える省エネ性能②節水対策・エネルギーマネジメント・ヒートアイランド対策・建築物の低炭素化の選択項目。②は木造住宅で節水トイレ、水栓、食器洗い乾燥機を設置すればクリアできるので、認定の難易度は低め。認定されれば、税金の優遇措置が受けられたり、住宅ローンが低金利で組めるなど金銭的なメリットが大きく、さらに、地域の工務店などで建てれば、「地域型住宅グリーン化事業」の対象となり、1戸あたり70万円の補助金がもらえるケースも。ただし、用途地域が原則、「市街化区域」でないと、低炭素住宅の認定は受けられません。それ以外の地域は、「性能向上計画認定」となりますが、要件は同じ。税制優遇も同様です。
出典:リビング和歌山2021年10月23日号