サスティナブルな住まいで脱炭素の暮らし① 人にも環境にもやさしい木造建築 戸建てからビルへ
SDGsで世界的に関心高まる木造
10月8日は木材利用促進の日、10月は木材利用促進月間です。
世界規模で地球温暖化対策が求められている今、国内外で木造建築への関心が高まっていることはご存じでしょうか? 私たち日本人は、木造といえば、社寺仏閣、戸建て住宅がスタンダードですが、欧米では、高層木造ビルがトレンド。昨今、日本でも、ファッション通販サイトを運営する「ZOZO」が千葉県に木造社屋を建てたり、三井不動産・竹中工務店が東京・日本橋で地上17階建ての木造オフィスビルを計画するなど、木造建築に対する意識が変わってきています。
木造建築が脚光を浴びる背景には、「SDGs(持続可能な開発目標)」でも取り上げられている二酸化炭素排出量削減への取り組みが関連しています。木は大気中の二酸化炭素を取り込み、木材に加工されたあとも炭素を貯蔵し続け、わが国の平均的な木造住宅の炭素貯蔵量では、鉄筋コンクリートや鉄骨プレハブ住宅の約4倍に相当。都心に高層木造ビルが完成すると、まちなかに森林が形成されるのと同じようなものといえます。
一方、国内では、住宅の非木造化が進行中。「2018年住宅・土地統計調査」(総務省)によると、18年の新築戸建ての92.5%が木造にもかかわらず、住宅の構造別割合を見ると木造が56.9%、非木造が18.3%。1978年には木造が81.7%でしたが、年々、非木造の割合が増えてきているのは、共同住宅の87.5%が非木造であることが原因と考えられます。
日本では長らく、耐火・耐震面から木造の大型建築物は規制されていました。風向きが変わったのは2000年。建築基準法が改正され、耐火基準を満たせば木造ビルの建築が可能になりました。耐火部材・技術の開発が進み、10年には、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、国が公共建築物の木造化を推進。さらに今年、この法律が改正され、木材の利用促進の対象が、民間建築物に拡大されました。
あなたのマイホームは、6240万7000戸分の1(18年10月1日の総住宅数)に過ぎませんが、家づくりに木材を用いるということは、持続可能な社会に貢献することにつながります。
出典:リビング和歌山2021年10月9日号